『漁業・農業後継者育成担い手確保対策セミナー』を開催します

震災後、農業や水産業といった一次産業において後継者の育成・担い手の確保といった問題が深刻化しています。

今回のセミナーは、移住者やIターンによる漁業者の定着という実績もある先進事例「能登里山里海マイスター制度」の仕掛け人のひとりである金沢大学の中村浩二特任教授をお迎えし、その知見の共有を目的とし開催するものであります。

漁業・農業の関係者だけでなく、地域振興や人材育成にご関心のある方々のご参加をお待ちしております。

問い合わせ先:0193-55-5691(岩手大学釜石サテライト 田村・小野寺

 

 

【SFRC】サケのヒレ切り

季節が秋になり、岩手の海や川でサケが水揚げされるようになってきました。
三陸水産研究センター(SFRC)ではサケのDNAを調べるために、サケのヒレを使います。
そのヒレを採取し集めるという仕事があります。通称:サケのヒレ切り

SFRCメンバーが夜が明けない時間帯から魚市場や採捕場に出向き、オス・メス50匹のヒレを採取してきます。

今回は宮古魚市場の様子をご紹介します。

サケが最盛期に入るこれからは、メンバー総動員で採取に向かいます。。。

 

ヤングリーダーズ国際合宿研修

2月18日(火),国際交流科目「ヤングリーダーズ国際合宿研修」の一環で,受講生30名ほどが釜石市を視察に訪れました。
この研修は,「震災からの復興と持続可能な社会-震災と復興を発信するために-」をテーマに掲げ,震災とその後の被災地の現状を知り,復興ツーリズムを通して復興事業を体験し,これらから得たものを多文化チームで検討し,国際的な多様な視点から見た「震災と復興」の発信方法について提案を考えることを内容としたものです。
これらの活動を通して,文化や言語の違いを越え,地域課題を国際的な視野,立場から捉え,発信する能力を高めることを目的に行われ,国際交流協定を締結している各国の留学生や,これから留学を予定している日本人学生が参加しました。
受講生は,あらかじめ国立岩手山青少年交流の家(滝沢市)でオリエンテーションや被災地を知るための講義を受け,17日(月)に釜石入りして被災地の現状についての講話を受けました。

18日の午前には,2班に分かれて,根浜海岸清掃のボランティア活動と,根浜漁港でホタテの出荷作業の体験実習を行いました。
出荷作業の体験実習は,まず,雪上で貝殻に付いたゴミや雑貝などをナタでこそぎ取り,次に仮設作業場に入って,へらで貝を開ける作業を行いました。漁業体験は誰もが初めてで,最初は恐る恐るやっていましたがだんだん慣れてきて手際よくできるようになりました。
最後に,剥き取ったナマの貝柱を試食しました。これも初めての体験で,恐る恐る口に入れていましたが,自分で剥いた甘みのある貝柱においしいと喜んでいました。

根浜海岸の清掃作業

根浜海岸の清掃作業

ホタテ貝殻の出荷作業

ホタテ貝殻の出荷作業

ホタテの殻開け

ホタテ殻開け

ホタテ試食の初体験

ホタテ試食の初体験

午後には,水産加工会社の津田商店の視察を行いました。
津田商店は,大槌町で事業を行っていましたが東日本大震災の津波に被災し,1年後にようやく鵜住居町で事業を再開した会社です。徹底した『安心品質』の食品造りに努めており,サバやサンマ,アジ,サケなどの缶詰やレトルト食品,冷凍食品を製造・販売し,また,学校給食への食材の提供も行っています。
工場内は,徹底した衛生管理が行われており,見学用の帽子,マスク,白衣,長靴が配給されました。加工室に入る際は,エアシャワーと手洗い,消毒・殺菌,長靴の洗浄をしなければなりませんでした。
見学のあと職員との交流会が行われ,被災からの復興までの苦労話や骨付きの理由,衛生管理,材料の品質管理,取引先など,多くの質問が出され,関心の深さがうかがえました。

水産加工場の視察

水産加工場の視察

水産加工会社職員との交流

水産加工会社職員との交流

受講生は,翌日また国立岩手山青少年交流の家に戻り,研修の成果のまとめと発表会などを行うことになっています。

水産加工研究講演会in久慈が開催されました

2月1日 (土)午後,久慈市長内町のロイヤルパークカワサキで「水産加工研究講演会in久慈」が開催され,久慈地域の水産加工業者など約80名が参加しました。

水産物加工における省力化,省エネ対策等について講演する岩手大学船崎教授

水産物加工における省力化,省エネ対策等について講演する岩手大学船崎教授

岩手大学,東京海洋大学及び北里大学の3大学は,三陸水産業の復興と地域の持続的発展に寄与するため,互いに連携し,「SANRIKU(三陸)水産研究教育拠点形成事業」を行っています。この3大学連携プロジェクトは,一連の研究開発を通した海洋・水産分野に係る実用化研究拠点の形成を図るものです。
この講演会は,水産加工の分野において,大学等の研究機関が有する最新の研究事例を紹介し,久慈地域の加工業者とのマッチングを図り,競争力ある新商品開発・販路開拓・生産効率向上につなげることで,震災復旧後の水産関連産業の発展を目的に開催されたものです。

講演会では,岩手大学の船崎健一教授からコンブの乾燥やワカメ芯抜きの省力化,ワカメボイルの省エネ対策などの研究開発の紹介,東京海洋大学鈴木教授から水産物の冷凍冷蔵・解凍に関する技術の紹介がありました。
また,ハーブ抽出物による新しい乾燥法,岩手県産フノリの用途拡大やワカメの味の分析などの3大学連携プロジェクトの成果や岩手県水産技術センターなどによる通電加熱技術に関する報告がありました。

短い時間でしたが,全体討論では会場から活発な発言があり,作業効率化につながる最新の研究成果や新しい加工技術についての知識が深まったものと思います。