11月5日は『津波防災の日』

皆さんご存知ですか?11月5日は『津波防災の日』だということを。
1854年(安政元)11月5日は安政南海地震の発災日で、津波防災の意識を高めるために創設された新しい記念日です。
釜石市では11月5日に津波浸水想定地区で避難訓練を行うことになり、釜石サテライトでも訓練を実施しました。
(がっつり津波浸水地区ですから (;^ω^) )

午前10時、岩手県沖を震源とする震度5弱の地震が発生。
大津波警報が発令されたと想定。防災行政無線で避難指示が出ました。

一次避難場所の駐車場に集合。皆の無事を確認。

全員無事が確認され、二次避難場所に移動します。
釜石サテライトから釜石市指定避難場所へ向かうには津波の最も危険なエリアを通らなければ行けないため、緊急を要する場合は岩手沿岸南部クリーンセンターへ避難する事にしています。この場所は3.11の際も津波被害がなかった場所です。

全員が避難完了し10時30分、津波警報解除を告げられ訓練は終了しました。
訓練と解っていても、あのサイレンの音は震災を思い出して嫌なものです。。。

ヤングリーダーズ国際合宿研修

2月18日(火),国際交流科目「ヤングリーダーズ国際合宿研修」の一環で,受講生30名ほどが釜石市を視察に訪れました。
この研修は,「震災からの復興と持続可能な社会-震災と復興を発信するために-」をテーマに掲げ,震災とその後の被災地の現状を知り,復興ツーリズムを通して復興事業を体験し,これらから得たものを多文化チームで検討し,国際的な多様な視点から見た「震災と復興」の発信方法について提案を考えることを内容としたものです。
これらの活動を通して,文化や言語の違いを越え,地域課題を国際的な視野,立場から捉え,発信する能力を高めることを目的に行われ,国際交流協定を締結している各国の留学生や,これから留学を予定している日本人学生が参加しました。
受講生は,あらかじめ国立岩手山青少年交流の家(滝沢市)でオリエンテーションや被災地を知るための講義を受け,17日(月)に釜石入りして被災地の現状についての講話を受けました。

18日の午前には,2班に分かれて,根浜海岸清掃のボランティア活動と,根浜漁港でホタテの出荷作業の体験実習を行いました。
出荷作業の体験実習は,まず,雪上で貝殻に付いたゴミや雑貝などをナタでこそぎ取り,次に仮設作業場に入って,へらで貝を開ける作業を行いました。漁業体験は誰もが初めてで,最初は恐る恐るやっていましたがだんだん慣れてきて手際よくできるようになりました。
最後に,剥き取ったナマの貝柱を試食しました。これも初めての体験で,恐る恐る口に入れていましたが,自分で剥いた甘みのある貝柱においしいと喜んでいました。

根浜海岸の清掃作業

根浜海岸の清掃作業

ホタテ貝殻の出荷作業

ホタテ貝殻の出荷作業

ホタテの殻開け

ホタテ殻開け

ホタテ試食の初体験

ホタテ試食の初体験

午後には,水産加工会社の津田商店の視察を行いました。
津田商店は,大槌町で事業を行っていましたが東日本大震災の津波に被災し,1年後にようやく鵜住居町で事業を再開した会社です。徹底した『安心品質』の食品造りに努めており,サバやサンマ,アジ,サケなどの缶詰やレトルト食品,冷凍食品を製造・販売し,また,学校給食への食材の提供も行っています。
工場内は,徹底した衛生管理が行われており,見学用の帽子,マスク,白衣,長靴が配給されました。加工室に入る際は,エアシャワーと手洗い,消毒・殺菌,長靴の洗浄をしなければなりませんでした。
見学のあと職員との交流会が行われ,被災からの復興までの苦労話や骨付きの理由,衛生管理,材料の品質管理,取引先など,多くの質問が出され,関心の深さがうかがえました。

水産加工場の視察

水産加工場の視察

水産加工会社職員との交流

水産加工会社職員との交流

受講生は,翌日また国立岩手山青少年交流の家に戻り,研修の成果のまとめと発表会などを行うことになっています。

釜石高等学校理数科課題研究発表会

1月22日,岩手県立釜石高等学校において「理数科課題研究発表会」が行われ,母校生徒のがんばっている姿を拝見することができました。
釜石高等学校は,平成24年度にスーパーサイエンスハイスクール(SSH)の指定を受け,「校内外での科学に関する取り組みを通じて,論理的思考力と表現力(英語活用力を含む)を養い,国際的に活躍する優れた科学技術人材を育成すること」を目的として事業に取り組んでいます。
今回の発表会は,10月の中間発表を受けてさらに発展させた研究の最終まとめとして行われ,下記の7テーマの研究発表が行われました。

  1. シロツメクサの三つ葉と四つ葉の違いに関する研究
  2. 果実に含まれる酵母菌の研究
  3. 色素増感型太陽電池の起電力に関する研究
  4. 甲子川の水質調査に関する研究
  5. 摩擦と湿度の関係について
  6. 甲子川の深成岩転石の分類に関して
  7. 線形計画法による最適な生産計画の研究

どれもがすばらしい研究内容でしたので,審査員として点数付けしなければならないことに大変心が苦しく感じられました。
7名の審査員による厳正な審査の結果,1.シロツメクサの三つ葉と四つ葉の違いに関する研究6.甲子川の深成岩転石の分類に関してが岩手県高等学校理数科発表会への参加グループに選考されました。

四つ葉のクローバーの研究発表

四つ葉のクローバーの研究発表

四つ葉のクローバーの研究では,シロツメクサの三つ葉と四つ葉の違いを,形態的要因(維管束の観察)と遺伝的要因(DNA分析)で分析が行われました。維管束の観察では,葉柄の維管束が基本5本のところを葉に近づくにつれて再配分が行われ葉の数(四つ葉であれば4本)に分岐することが示されました。しかし,DNA分析では,大きな違いが見られなかったことから,RNAやタンパク質を調べたいと今後の課題としました。
甲子川の深成岩の分類では,甲子川から採集した岩石を色指数,密度,顕微鏡観察により,北上山地を特徴づける4種類の深成岩(花崗閃緑岩,花崗岩,はんれい岩,斜長石はん岩)に分類する過程が報告されました。さまざまな地質が見られる釜石が,ジオサイトとしての価値を有していることを知るよい資料になっていました。

母校の皆さんが,さらに研究に励み,課題を見つけて解決していく力を着け,社会で活躍できる人材に育ってくれるよう期待したいと思います。

被災地の現状と復興の取り組みを学ぶ現地研修

1月17日(金),18日(土)に,「被災地の現状と復興の取り組みを学ぶ現地研修」があり,岩手大学の学生が釜石市と大槌町を視察しました。
この研修は,被災地の現状と復興の取り組みについて現地を訪問し実情を学ぶことにより,被災地の復興や地域再生に関して岩手大学の学生が果たすべき役割を考える機会を与え,三陸復興への関心を高めるとともに,復興を担う次代の人材を養成することを目指したものです。
この研修には,「岩手の研究~三陸の復興を考える~」の受講者や「生活支援部門ボランティア班」参加学生のうち16名が参加しました。

1泊2日の研修は,コバルト合金を制作している「(株)エイワ金属事業部」の加工場,サケの増殖を目指す「釜石湾漁協甲子川さけますふ化場」,岩手大学が高度加工機器を導入し,沿岸部のものづくり産業の復興支援の拠点としている「釜石・大槌地域産業育成センター」及びサポートセンターや仮設店舗などを一体的に整備し地域包括ケアの実現を目指した「平田第6仮設団地」の見学に加え,釜石市釜援隊による釜石市の紹介と「釜石に来てやりたいインターン」をテーマにしたグループワーク,震災当時から過酷な状況を体験した大槌町職員や宝来館女将からの講話,語り部(おらが大槌夢広場)から説明を受けて歩いた被災地見学(被災跡の残る旧大槌町役場周辺)など,内容の濃いものでした。

17日の昼食は,かまいしキッチンカープロジェクトの「むすびや」からカレーライスを配膳してもらい,被災した中小企業の再生と新事業の創出により雇用を確保し,地域の活性化を図ると共に買い物弱者への支援を目的とした釜石市の取組を体験しました。
18日は,例年開催されている「釜石冬の味覚まつり」で名物「釜石ラーメン」などを味わい,研修の締めくくりとしました。

岩手大学では,「地(知)の拠点形成整備事業(COC事業)」の採択を受けて「地域と創る”いわて協創人材育成+地元定着”プロジェクト」を実施することになりました。
これは,卒業後の地元定着率の向上や目的意識の明確化を図ることにより地域の活性化につなげることを目的として行うもので,1年次には全員が被災地で震災復興について学習することが義務づけられる予定です。

今回の現地研修がこれからの研修につながっていくことを期待します。

鍛造作業の見学(エイワ金属事業部の加工場)

鍛造作業の見学(エイワ金属事業部の加工場)

サケマスふ化場の見学(1)ふ化室,(2)飼育池,(3)ふ化槽の発眼卵,(4)ふ化直後の稚魚,(5)放流を待つ稚魚)

サケマスふ化場の見学(1)ふ化室,(2)飼育池,(3)ふ化槽の発眼卵,(4)ふ化直後の稚魚,(5)放流を待つ稚魚)

釜石サテライトで昼休み

釜石サテライトで昼休み

5軸マシニングセンターの見学(釜石・大槌地域産業育成センター)

5軸マシニングセンターの見学(釜石・大槌地域産業育成センター)

通路が体に優しいウッドデッキの平田第6仮設団地

通路が体に優しいウッドデッキの平田第6仮設団地

介護福祉士や看護士も配置されているサポートセンター(平田第6仮設団地)

介護福祉士や看護士も配置されているサポートセンター(平田第6仮設団地)

グループワークの発表をする参加者

グループワークで発表をする参加者

被災地を歩く(旧大槌町役場周辺)

被災地を歩く(旧大槌町役場周辺)

学生への期待を熱く語る宝来館のお女将さん

学生への期待を熱く語る宝来館のお女将さん

釜石冬の味覚まつり(復興支援に来ている北九州市の「小倉発祥焼きうどん」)

釜石冬の味覚まつり(復興支援に来ている北九州市の「小倉発祥焼きうどん」)