地底湖の滝-滝観洞

住田町五葉地区の案内板

住田町五葉地区の案内板

 住田町上有住に滝観洞があります。
 住田町は,釜石市の西南に位置しています。上有住(かみありす)には,JR釜石線の足ヶ瀬と陸中大橋の間にある「上有住駅」,仙人峠道路の「滝観洞インター」があり,滝観洞にはこれらから行くことができます。
 滝観洞は,明治初期から岩の間から風が吹き出している「風吹き穴」として知られており,大正末に地元の青年達が探検し,奥に滝があることが発見され,昭和41年に「滝観洞」と名付けられました。

天の岩戸の滝

天の岩戸の滝


 入口から900メートル(約40分)ほどの所に日本一と言われる高さ29メートルから落ちる滝「天の岩戸の滝」がありました。
 少し手前にも「小滝(女滝)」とよばれる小さな滝もあります。
 地底湖に落ちる水しぶきが激しく,シャッターを押すと小さな水滴が画面いっぱいに写ってしまいました。

 洞内の通路は狭くなったり低くなったりして頭を天井にぶつけることがあり,ヘルメットは必需品ですが,観光センターで長靴とヤッケの3点セットで一緒に貸してくれます。
 滝観洞は,古生代の石灰岩でできていますが,鍾乳洞自体はできたばかりで若いため石筍や鍾乳石などはあまりありません。
 ところどころにウミユリの化石がみられます。また,洞穴サンゴ(サンゴのような突起状の鍾乳石),スコラプ(地下水流によって削られた壁や床,天井にできたうろこ状のくぼみ),ポットホール(天井からの水滴が長い年月をかけて床に作った丸いくぼみ),ノッチ(テーブル状になった水が流れたあとの痕跡)など,水の造形が見どころです。
 近くにある白蓮洞は,さらに古い時代に形成されたもので,鍾乳石や石筍などが見られます。

気仙川に架かる風恋(かざこい)橋

気仙川に架かる風恋(かざこい)橋

ウミユリの化石

ウミユリの化石

洞穴サンゴ(サンゴ状の鍾乳石)

洞穴サンゴ(サンゴ状の鍾乳石)

スコラプ(うろこ状のくぼみ)

スコラプ(うろこ状のくぼみ)

ポットホール(水滴が作った丸いくぼみ)

ポットホール(水滴が作った丸いくぼみ)

水の流れ出できたテーブル状のノッチ

水の流れでできたテーブル状のノッチ

船越湾

船越漁港(荒神海水浴場から)

 船越湾は,北は山田町船越半島の弁天島から始まり,南は大槌町吉里吉里半島の野島までとなっています。
 一帯は,花崗岩(御箱崎の千畳敷と同じ)の海岸で,海食崖と砂浜が交互に連なっています(花崗岩は大槌町赤浜まで続きます。大槌湾内の蓬莱島も花崗岩の島です)。

荒神海水浴場と弁天島周辺
 湾北には船越半島があり,船越漁港を過ぎて奥に進むと,白砂の荒神海水浴場と少し大きな弁天島が現れます。
 浜の陰に行ってみると,海食崖が連なっています。海岸沿いに遊歩道があり,「国民宿舎タブノキ荘」のあったところ(今は船越第6仮設団地となっています)まで続きますが,一部津波による損傷も見受けられ,途中で引き返しました。

荒神海水浴場と弁天島

海食崖の遊歩道(向こう岸は大島)

海食崖と砂浜

沖行く船

荒神社
 荒神海水浴場の後背に「荒神社」があり,ここの社地内には,鎮西八郎源為朝の三男で奥州閉伊・気仙郡を治めた「閉伊頼基」の霊廟があります。

荒神社

 閉伊頼基は,国郡を治めるに当たり,家臣には武士道をしつけ,慈悲をもって里民に接し,閉伊・気仙両郡の開拓に当たったと言われています。
 「予の遺骸を水葬せよ。吾東海の守護神たらん。」と遺託して病死しました。遺骸は水葬されましたが,船越半島の大釜崎に流れ着き,小谷鳥浜に奉祀されましたがその後この荒神社に合祀されたと伝えられています(解説板より。閉伊頼基については,釜石の尾崎神社にも似たような伝えがあります。)。

 船越半島を出て国道45号線を南下すると四十八坂があります。海岸は海食崖になっていて,国道が海食台の上を走っています。現在は国道がほぼまっすぐ通っていますが,以前は,地形に沿って曲がりくねった坂の多い道だったので交通の難所だったようです。
 展望台からは,北の船越半島や大島,南の野島などが一望できます。

 四十八坂を過ぎると,浪板海岸が現れます。遠浅で返し波のない「片寄せ波」で有名でした。
 昔は,防波堤がなくて高田松原のように松の生い茂った広い砂浜でしたが,地盤沈下と津波の影響で砂浜や松林が少なくなり,波も荒くなってしまいました。

四十八坂展望台

浪板海岸

吉里吉里海岸
 吉里吉里海岸は,粒の大きい黄色味がかった砂の浜で,歩くと「キリキリ」と鳴ったことからこの海岸の名前が付いたともいわれています(実際は,波の音で聞こえませんが…)。
 先月末,砂の芸術祭が開かれました。
 津波で防波堤やベイブリッジの一部が壊れたままですが,この夏は海水浴客が来ていました。

黄色い砂の吉里吉里海岸

船越湾南端の野島(奥は御箱崎)

高田松原と一本松

被災した高田松原海岸

 高田松原海水浴場は,気仙川が上流から運んできた花崗岩由来の砂が作った砂嘴でした。
 太陽に輝く白砂を緑色の松林が包み,青く広い水平線が見える美しい浜でした。
 友人や職場の親睦会,家族づれで何度か訪れたものでした。

 が,大震災の津波によりすべてがなくなりました。
 砂は流され,松林はなぎ倒され,景勝地の面影もなくなってしまいました。

 そんな中,奇跡的に残っていた1本の松は「奇跡の一本松」と呼ばれ,鎮魂・希望・復興のシンボルとして保存されています。

奇跡の一本松

岡山出張

岡山のある大学で会議でした。
山を切り開いたところに建てられた大学です。会議室からは岡山市街地を一望できます。

 

 

983949_454798147949344_1168766332_n会議の前には、大学の魚の飼育施設を見学させてもらいました。海がない山間で、海産魚を飼育しています。
人工海水により、学生が水質をコントロールして、フグやマグロなどの高級魚を養殖生産しています。
排水も、生物ろ過や殺菌などを行い、また飼育水として利用します。循環利用するので、水温もコントロール可能です。釜石の我々のセンターでも、これから同じような研究に取り組みます。

鵜の巣断崖

 先の休日,天気が良かったので田野畑村の鵜の巣断崖に行ってきました。

さわやかな初夏の遊歩道

 鵜の巣断崖は,高さが150mもあり,中腹にウミウの巣があることから名付けられたそうです。
 断崖の展望台からは周辺の隆起海岸の連なりと,その足下に打ち寄せる雄大な太平洋の白波を展望することができます。
 鵜の巣断崖には,田野畑村の南端の国道45号線の旧道を通り,槙木沢で海岸方面に向かいます。
 交差点から2.5Kmぐらいのところに駐車場があり,松の大木に囲まれた自然美を見ながら20分ぐらい歩くと展望台に着きます。
 駐車場からは,北側に進む遊歩道があり,断崖下の海岸を散策することができます。
 (駐車場の案内板より)
 宮古以北の断崖は,地盤の隆起により発達した海岸段丘で,陸中海岸国立公園の一部ですが,リアス海岸ではありませんのでご注意を…。

北側の断崖

太平洋

南側の断崖

道の駅「いわいずみ」
 盛岡から鵜の巣断崖までは,岩泉経由の国道455号線小本街道を通ります。
 岩泉の町を過ぎて途中に「道の駅いわいずみ」があります。
 岩泉町は牧畜が盛んで,岩泉牛乳や岩泉ヨーグルトが県内あちこちのスーパーでも販売されています。
 今回は,短角牛コロッケと黒豚ミンチカツをみやげに買いました。

道の駅「いわいずみ」

コロッケとミンチカツ

まぼろしの「たのはたバーガー」
 鵜の巣断崖から国道45号線を北上し,田野畑村役場に向かう途中に思惟大橋があります。
 思惟大橋は,「橋は物や人を渡すばかりでなく,心も運ぶもの」であり,近くにある思惟の森にちなみ,心を渡すという意味を込めて名前が付けられました(展望台の案内板より)。
 橋のたもとに「道の駅たのはたパーク思惟大橋」があります。そのど真ん中に「思惟大橋レストハウス」がありますが,運悪く閉まっていました(金土日の昼時間の営業のようですが)。
 入口のガラス戸に「たのはたバーガー」のポスターが貼られてあり,鮭フライ,あいがもバーグ,あいがもソテーの3種類がありますが,いつか食べてみたいものです。
 産直プラザ思惟大橋では,アイガモチャーシューメンをいただきました。

思惟大橋

たのはたバーガーのポスター

復活した田老かりんとう
 国道45号線を南下すると,田老の町(被災しました)の手前に道の駅「たろう」があります。
 産直「やませの丘」に入ると,久しぶりに元祖田老名物「田老かりんとう」が売ってあり,「宮古の塩かりんとう」と一緒に買いました。
 このかりんとうは,以前連続して全国菓子大博覧会の金賞や会長賞を受賞した菓子で,被災前は田老の町に店舗があり,通るたびに買い求めていたものでした。震災で,店舗も工場もなくなり,しばらく休止していましたが,3月に復活していました。甘みを抑えたおいしいかりんとうです。

道の駅「たろう」と産直「やませの丘」

田中菓子補のかりんとう(左)と宮古の塩かりんとう

 海岸が輝く夏になりました。きれいな景色や,おいしいものがいっぱいあります。
 皆さんも沿岸部にお越しください。

道の駅情報はこちら
国土交通省東北地方整備局のページ→http://www.thr.mlit.go.jp/road/koutsu/roadstation/iwate/