第二回 宮古市新加工品コンクール

去る2月1日に、宮古市シートピアなあどで第2回宮古市新加工品コンクールが開催されました。

コンクールは、地場農林水産物の利用拡大に向け品質および認知度向上を図ることを目的として行われているものです。

今回は、11の企業や団体から23品目の出品があり、大盛況でした。

また、超人気店「賛否両論」のオーナー兼料理人の笠原将弘さんが特別審査員として参加されました。

プロの料理人を含む厳しい審査員の厳正な審査の結果、最優秀賞には「南部鮭加工研究会」の「鮭冷燻ケズリ」が、そして優秀賞には、「丸友しまか(有)」の「元祖ぶっかけまんま メカジキのそぼろ煮」と「マルヤマ山根商店」の「えぞ鮑肝 赤南蛮仕込み」の2品が選ばれました。

筆者は残念ながら参加できませんでした。審査員に紛れて試食するのが楽しみでしたので本当に残念です。

最優秀賞の鮭冷燻ケズリ

最優秀賞の鮭冷燻ケズリ

 

 

 

水産加工研究講演会in久慈が開催されました

2月1日 (土)午後,久慈市長内町のロイヤルパークカワサキで「水産加工研究講演会in久慈」が開催され,久慈地域の水産加工業者など約80名が参加しました。

水産物加工における省力化,省エネ対策等について講演する岩手大学船崎教授

水産物加工における省力化,省エネ対策等について講演する岩手大学船崎教授

岩手大学,東京海洋大学及び北里大学の3大学は,三陸水産業の復興と地域の持続的発展に寄与するため,互いに連携し,「SANRIKU(三陸)水産研究教育拠点形成事業」を行っています。この3大学連携プロジェクトは,一連の研究開発を通した海洋・水産分野に係る実用化研究拠点の形成を図るものです。
この講演会は,水産加工の分野において,大学等の研究機関が有する最新の研究事例を紹介し,久慈地域の加工業者とのマッチングを図り,競争力ある新商品開発・販路開拓・生産効率向上につなげることで,震災復旧後の水産関連産業の発展を目的に開催されたものです。

講演会では,岩手大学の船崎健一教授からコンブの乾燥やワカメ芯抜きの省力化,ワカメボイルの省エネ対策などの研究開発の紹介,東京海洋大学鈴木教授から水産物の冷凍冷蔵・解凍に関する技術の紹介がありました。
また,ハーブ抽出物による新しい乾燥法,岩手県産フノリの用途拡大やワカメの味の分析などの3大学連携プロジェクトの成果や岩手県水産技術センターなどによる通電加熱技術に関する報告がありました。

短い時間でしたが,全体討論では会場から活発な発言があり,作業効率化につながる最新の研究成果や新しい加工技術についての知識が深まったものと思います。

釜石高等学校理数科課題研究発表会

1月22日,岩手県立釜石高等学校において「理数科課題研究発表会」が行われ,母校生徒のがんばっている姿を拝見することができました。
釜石高等学校は,平成24年度にスーパーサイエンスハイスクール(SSH)の指定を受け,「校内外での科学に関する取り組みを通じて,論理的思考力と表現力(英語活用力を含む)を養い,国際的に活躍する優れた科学技術人材を育成すること」を目的として事業に取り組んでいます。
今回の発表会は,10月の中間発表を受けてさらに発展させた研究の最終まとめとして行われ,下記の7テーマの研究発表が行われました。

  1. シロツメクサの三つ葉と四つ葉の違いに関する研究
  2. 果実に含まれる酵母菌の研究
  3. 色素増感型太陽電池の起電力に関する研究
  4. 甲子川の水質調査に関する研究
  5. 摩擦と湿度の関係について
  6. 甲子川の深成岩転石の分類に関して
  7. 線形計画法による最適な生産計画の研究

どれもがすばらしい研究内容でしたので,審査員として点数付けしなければならないことに大変心が苦しく感じられました。
7名の審査員による厳正な審査の結果,1.シロツメクサの三つ葉と四つ葉の違いに関する研究6.甲子川の深成岩転石の分類に関してが岩手県高等学校理数科発表会への参加グループに選考されました。

四つ葉のクローバーの研究発表

四つ葉のクローバーの研究発表

四つ葉のクローバーの研究では,シロツメクサの三つ葉と四つ葉の違いを,形態的要因(維管束の観察)と遺伝的要因(DNA分析)で分析が行われました。維管束の観察では,葉柄の維管束が基本5本のところを葉に近づくにつれて再配分が行われ葉の数(四つ葉であれば4本)に分岐することが示されました。しかし,DNA分析では,大きな違いが見られなかったことから,RNAやタンパク質を調べたいと今後の課題としました。
甲子川の深成岩の分類では,甲子川から採集した岩石を色指数,密度,顕微鏡観察により,北上山地を特徴づける4種類の深成岩(花崗閃緑岩,花崗岩,はんれい岩,斜長石はん岩)に分類する過程が報告されました。さまざまな地質が見られる釜石が,ジオサイトとしての価値を有していることを知るよい資料になっていました。

母校の皆さんが,さらに研究に励み,課題を見つけて解決していく力を着け,社会で活躍できる人材に育ってくれるよう期待したいと思います。

被災地の現状と復興の取り組みを学ぶ現地研修

1月17日(金),18日(土)に,「被災地の現状と復興の取り組みを学ぶ現地研修」があり,岩手大学の学生が釜石市と大槌町を視察しました。
この研修は,被災地の現状と復興の取り組みについて現地を訪問し実情を学ぶことにより,被災地の復興や地域再生に関して岩手大学の学生が果たすべき役割を考える機会を与え,三陸復興への関心を高めるとともに,復興を担う次代の人材を養成することを目指したものです。
この研修には,「岩手の研究~三陸の復興を考える~」の受講者や「生活支援部門ボランティア班」参加学生のうち16名が参加しました。

1泊2日の研修は,コバルト合金を制作している「(株)エイワ金属事業部」の加工場,サケの増殖を目指す「釜石湾漁協甲子川さけますふ化場」,岩手大学が高度加工機器を導入し,沿岸部のものづくり産業の復興支援の拠点としている「釜石・大槌地域産業育成センター」及びサポートセンターや仮設店舗などを一体的に整備し地域包括ケアの実現を目指した「平田第6仮設団地」の見学に加え,釜石市釜援隊による釜石市の紹介と「釜石に来てやりたいインターン」をテーマにしたグループワーク,震災当時から過酷な状況を体験した大槌町職員や宝来館女将からの講話,語り部(おらが大槌夢広場)から説明を受けて歩いた被災地見学(被災跡の残る旧大槌町役場周辺)など,内容の濃いものでした。

17日の昼食は,かまいしキッチンカープロジェクトの「むすびや」からカレーライスを配膳してもらい,被災した中小企業の再生と新事業の創出により雇用を確保し,地域の活性化を図ると共に買い物弱者への支援を目的とした釜石市の取組を体験しました。
18日は,例年開催されている「釜石冬の味覚まつり」で名物「釜石ラーメン」などを味わい,研修の締めくくりとしました。

岩手大学では,「地(知)の拠点形成整備事業(COC事業)」の採択を受けて「地域と創る”いわて協創人材育成+地元定着”プロジェクト」を実施することになりました。
これは,卒業後の地元定着率の向上や目的意識の明確化を図ることにより地域の活性化につなげることを目的として行うもので,1年次には全員が被災地で震災復興について学習することが義務づけられる予定です。

今回の現地研修がこれからの研修につながっていくことを期待します。

鍛造作業の見学(エイワ金属事業部の加工場)

鍛造作業の見学(エイワ金属事業部の加工場)

サケマスふ化場の見学(1)ふ化室,(2)飼育池,(3)ふ化槽の発眼卵,(4)ふ化直後の稚魚,(5)放流を待つ稚魚)

サケマスふ化場の見学(1)ふ化室,(2)飼育池,(3)ふ化槽の発眼卵,(4)ふ化直後の稚魚,(5)放流を待つ稚魚)

釜石サテライトで昼休み

釜石サテライトで昼休み

5軸マシニングセンターの見学(釜石・大槌地域産業育成センター)

5軸マシニングセンターの見学(釜石・大槌地域産業育成センター)

通路が体に優しいウッドデッキの平田第6仮設団地

通路が体に優しいウッドデッキの平田第6仮設団地

介護福祉士や看護士も配置されているサポートセンター(平田第6仮設団地)

介護福祉士や看護士も配置されているサポートセンター(平田第6仮設団地)

グループワークの発表をする参加者

グループワークで発表をする参加者

被災地を歩く(旧大槌町役場周辺)

被災地を歩く(旧大槌町役場周辺)

学生への期待を熱く語る宝来館のお女将さん

学生への期待を熱く語る宝来館のお女将さん

釜石冬の味覚まつり(復興支援に来ている北九州市の「小倉発祥焼きうどん」)

釜石冬の味覚まつり(復興支援に来ている北九州市の「小倉発祥焼きうどん」)

 

水産加工研究講演会in久慈を開催します

(クリックするとPDFファイルが開きます)

(クリックするとPDFファイルが開きます)

 水産物の加工での大学等の研究機関が有する最新の研究事例を紹介し,久慈地域の加工業者とのマッチングを図り,競争力ある新商品開発・販路開拓・生産効率向上につなげることで,震災復旧後の水産関連産業の発展を目的に開催致します。
 多数御参加ください。

日時:平成26年2月1日 (土)13時30分~17時30分
場所:久慈市長内町27-27-1 ロイヤルパークカワサキ
申込方法:
 参加をご希望の方は、1月29日(水)までに、裏面の参加申込書に必要事項を記入のうえ、メールまたはFAXにてお送りください。
※電話申込みも可能です。その際、所定事項をお知らせ下さい。

講演会(13:30~17:30) ※参加費:無料

13:35~  講演1「海藻養殖における省力化機器の開発と効率的な乾燥方法について」
     岩手大学 工学部 機械システム工学科 船崎 健一 教授
14:05~  講演2「水産物の冷凍冷蔵・解凍技術について」
     東京海洋大学 海洋科学部 食品生産科学部門 鈴木 徹 教授
14:35~  3大学連携プロジェクトで行っている研究事例報告
    ・岩手大学 農学部 三浦 靖 教授
    ・東京海洋大学 海洋科学部 食品生産科学部門 田代 有里 助教
    ・北里大学 感染制御研究機構 釜石研究所 笠井 宏朗 部長
15:35~  水産現場へのトヨタ・カイゼン方式の導入について
     岩手県県北広域振興局 経営企画部 産業振興課 課長 熊谷 郁夫 氏
16:00~   北三陸地域重要水産物への通電加熱技術の可能性
   (1)身溶けしない冷凍ウニ及び醤油イクラの品質向上
     岩手県水産技術センター 主査専門研究員 上田 智宏 氏
   (2)通電加熱装置の開発
     (株)フロンティアエンジニアリング 常務取締役 星野 貴 氏
   (3)通電加熱技術の実用化の現状などについて
     東京海洋大学 福田 裕 特任教授
16:45~  全体討論

懇親会(17:45~19:45)

会場:ロイヤルパークカワサキ2階  会費:4,000円
 講演者をはじめ、当日参加する他の研究者と、お気軽に意見交換をして頂くために開催致します。
 ぜひご参加ください。

問合せ先

岩手大学 三陸復興推進機構 久慈エクステンションセンター 担当:川尻
〒028-8030 岩手県久慈市川崎町1番1号(久慈市役所3階 産業開発課内)
TEL: 090-2953-2519
E-mail:kujiext@iwate-u.ac.jp
FAX: 0194-52-3653(久慈市役所総務部)