かまいしの第九

釜石第九ポスター 年末になると,各所で「第九」の演奏会が行われます。
釜石の第九の演奏会は,12月9日(日)に,釜石高等学校第一体育館で開催され,多数の市民が鑑賞しました。また,合唱に参加した市民もいました。

釜石市民会館

津波で被災した釜石市民会館

今回が第35回目で,パンフレットによると昭和52年(1977年)から続けられており,被災した昨年度も開催しています。震災前は,大町にある「釜石市民文化会館」で開催されていましたが,会館が被災して使用できなくなったため,前回からここ釜石高等学校第一体育館で開催されています。

第九パンフレット

配布されたパンフレット
(野田釜石市長の挨拶が書かれています)

プログラムの最初は,釜石市立甲子中学校全校生徒による「オーケストラと歌おう」で,甲子中学校校歌などの合唱が披露されました。若いだけあって,なかなか力強い合唱でした。

次に,ポピュラーミュージックとして一般に知られているスメタナのモルダウ(交響詩『我が祖国』から)です。いわゆるサビの部分の合唱付きで演奏されました。この曲は,モルダウ川の源流から本川に合流するまでの,川の流れや狩り,婚礼などの祖国ボヘミアの景色を曲にしたもので,心静かな状態から少しずつ勇気が湧いてくるような,すばらしい演奏でした。

最後は,おおとり「ベートーベン交響曲『第九』」です。「歓喜の歌」だけかと思っていたのですが,全4楽章が演奏されました。歓喜の歌は,最終の第4楽章で,ソリスト(ソプラノ,アルト,テノール,バス)の独唱と,市民参加も交えた合唱団による合唱が繰り広げられ,大迫力で聴き応えのある演奏会でした。中学校の教科書に載っていた「喜びの歌(16小節)」は,全体のほんの一部で,簡単には参加できないぞという感想になってしましました。

演奏会の指揮者は,地元の音楽家山崎真行さんです。かまいしの第九には初回からフルート奏者として参加し,その後指揮者を務めるようになりました。大震災で被災するも,NPO法人ガバチョ・プロジェクト理事長として,多目的に使える音楽ホールの建設など芸術文化による地域の復興・活性化にも取り組んでいます。
合唱団は,かまいし第九の会メンバーのほか,岩手県内外の合唱団,釜石,高田,遠野,宮古の高等学校生徒など,総勢250人余りが参加しました。
管弦楽は,釜石市民吹奏楽団,ウッドランドノーツ,ムジカプロムナードが担当しました。

演奏会会場

公演前の会場(演奏中の撮影はできませんでした)

釜石高校体育館

演奏会の開かれた釜石高等学校第一体育館

校歌

釜石高等学校校歌(釜石南高等学校時代も「…我らの釜石高校」と歌っていました。)