春の海-御箱崎の千畳敷

 3月30日の土曜日,天気が良かったので,前から行ってみたいと思っていた御箱崎(おはこざき,箱崎半島のこと)の千畳敷に遠足に行って来ました。
 千畳敷までは,根浜海岸から途中の大沢駐車場まで車で20分ほど,そこから徒歩で尾崎半島の峰伝いの道を約40分ほど進むと岩場への降り口につきます。

外洋の荒々しく砕ける白波(左奥は三貫島)

 降り口の案内板には,このように書かれてあります。

御箱崎半島南面の三貫島と対峙する千畳敷は,花崗岩の巨大な奇岩怪岩が累々と連なる景観を呈している。太平洋を眼前にして豪壮無辺まさに海の醍醐味を満足させてくれる陸中海岸国立公園を代表する絶景の地である。なお,高波・強風の時は危険なので,絶対に降りないようにしてください。

穏やかな潮だまりに映る白い岩と空(左側の崖が自然が作った階段)

 高波・強風の時でなくても,高所恐怖症の人は降りられません。
 降り口から岩場までは崖伝いになっており,簡易な遊歩道(階段)が作られていますが,途中から花崗岩の節理による天然の階段を降りることになります。
 遊歩道が途切れ天然の階段になった時,「えー!うそー!!」と発してしまいました。一時やめようとも思いましたが,ここまで来たからにはと意を決し,「天然の階段」を尻をつきつつ降りました。

ストロマトライトか,酸素の泡が発生しています

 
 千畳敷は,案内板のとおり大小さまざまな形をした奇岩怪岩でいっぱいでした。アクアマリン色の外洋と荒々しく砕ける白波,穏やかな春の日差しを受けた潮だまりに映る白い岩影と青い空,…いろいろと堪能できました。
 行き帰りの徒歩,天然の階段の上り下りも,心地よい疲労感が残りました。

花崗岩

 花崗岩は,マグマが地下深部でゆっくり冷え固まってできた深成岩で,粒の大きい結晶の塊です。形成の過程で水の関与が必要といわれています。花崗岩が風化すると結晶同士のつながりが弱くなり,砂状になります。根浜海岸や浪板海岸,高田松原海岸などの砂浜は,近辺の花崗岩が風化し,川の流れや海の波によって運ばれてできたものではないでしょうか。

 千畳敷の奇岩や砂浜は,水の惑星「地球」でしか見られない景色かも知れません。