シンポジウム-ニューオーリンズに学ぶ- in 釜石

 「復興を通じた革新 産・官・学・NPOそれぞれの役割-ニューオーリンズに学ぶ-」が5月20日(月)釜石市平田の釜石・大槌地域産業育成センターで開催されました。

 このシンポジウムは,公益財団法人渋沢栄一記念財団が支援する「東日本復興のための日米企業家交流促進プロジェクト」の一環で行われたもので,昨年度は釜石市から民間代表者が,2005年のハリケーン・カトリーナによる被害が一番大きかったルイジアナ州ニューオーリンズ市を訪問し,ニューオリンズの復興に貢献した人たちと交流し,相互の経験や情報の交換を行いました。
 今回は,ニューオーリンズから復興に貢献した起業家等民間の代表を招へいし,釜石市,岩手県の復興活動に携わる人々との意見公開の機会を設け,釜石,岩手の復興のための一助とする目的で開催されました。

 招へいされた方々は,以下の4人です。

  • ジョセフ・ブース(ルイジアナ州立大学スティーヴンソン災害マネジメント研究所(SDMI)所長:復興のための日米パートナーシップ・タスクフォースのメンバーで災害管理・対応に関する多数の講演を行っています)
  • シモーネ・ブルニ(デモ・ディーヴァ・デモリッション社代表:ハリケーン後に住宅解体会社を立ち上げた若手女性起業家)
  • ミシェル・ジャン=ピエール(エリス・マルサリス・センター・フォー・ミュージック代表:被災地域で子供達の音楽教育を行うNPO代表)
  • ロビン・キーガン(元ルイジアナ州復興局代表:住宅再建,中小企業支援などに携わりました)

日本側の出席者は,以下のとおりです。

  • 若崎正光(釜石市副市長)
  • 山崎長也(釜石商工会議所会頭)
  • 植村勝利(釜石市漁業協同組合連合会代表理事)
  • 佐々隆裕(釜石・大槌地域産業育成センター専務理事)
  • 小野昭男(小野食品代表取締役)
  • 三塚浩之(釜石プラットフォーム取締役)
  • 山崎真行(音楽家,NPO法人ガバチョ・プロジェクト理事長)
  • 岩崎昭子(宝来館女将)
  • 小野寺純治(岩手大学地域連携推進センター副センター長,教授)

 シンポジウムは,一橋大学吉川武郎教授(釜石市スマートコミュニティ推進委員長)がモデレータを務め,「ハリケーン・カトリーナと東日本大震災,それぞれの経験と課題」と題して,1.行政・企業・水産業,2.企業・企業再生,3.NGO・文化芸術・観光,4.大学・研究機関の4分野に分けて,各氏から経験や課題が報告されました。
 ルイジアナ州立大学のジョセフ・ブースSDMI所長から「必ず復興できる」,音楽教育NPO代表のミシェル・ジャン=ピエール氏から「夢を持ち続けるべき」という強い言葉が伝えられました。

 翌日の5月21日には,岩手大学で公開討論会が開催されました。