八幡平市主催の岩手大学車座研究会「閉鎖循環型陸上養殖の実施可能性について」

 7月8日月曜日,八幡平市役所で「第1回岩手大学車座研究会」が開催され,東京海洋大学遠藤助教から「閉鎖循環型陸上養殖の実施可能性について」の講演がありました。
 この車座研究会は,近年注目を浴びている「陸上養殖」が環境負荷が小さく,また天候の影響を受けにくい利点があり,さらに特化した「完全閉鎖循環式陸上養殖」が新しい養殖方法としての期待があります。八幡平市では地熱発電の余剰エネルギーの活用方法を検討しており,豊富できれいな地下水と共に安価な熱エネルギーを活用した陸上養殖による地域振興の可能性を探る目的で開催されました。

講演する遠藤東京海洋大学助教

 遠藤助教の講演では,日本国内外の水産業の現状や閉鎖循環式養殖の必要性,緊急性などの基礎的な説明から,畜産バイオマス発電や温泉熱利用など地域の特性を生かした実例の紹介がありました。
 また,温泉施設や水族館,動物園・植物園などの観光施設とのタイアップによる増収策,植物の水耕栽培と組み合わせる複合型食料生産システム「アクアポニックス」なども紹介されました。

 十和田八幡平国立公園内に位置する八幡平市は,景勝地「八幡平」や温泉施設など観光条件にも恵まれており,興味の尽きない内容でした。

 セミナー終了後,八幡平トラウトガーデンの現地視察会があり,温泉水や自然水の流量・流路などの確認が行われました。

トラウトガーデンでの現地検討会

 

チョウザメの「チョウタロウ」