箱根峠の電波塔

釜石市内から見える西側の山々

釜石市内から見える西側の山々

釜石の西側には,北上山地の山々が立ちふさがり,昔から藩城下や県中央部との行き来の障壁になっていました。

近世までは仙人峠が主な交通路で,釜石には最短のコースでしたが,峠は急坂で約4km3時間ほどかかり,徒歩や駕籠(かご)で峠越えしていました。
自動車による往来は,大正13年から笛吹峠(なだらかなでカーブが多い)で開始し,戦後の昭和23年からは遠野・釜石間のバスが運行されました。
昭和34年9月12日,ついに仙人トンネルが開通し,自動車で峠越えができるようになりました。そして平成19年3月19日に自動車専用道路「仙人峠道路」が開通し,山越えがなくなりました。

放送の時代になってもこれらの山々は障壁でした。

箱根山の電波塔群

箱根山の電波塔群

釜石でのテレビ放送は,昭和35年9月1日からのようですが,そのための電波塔が山の上に建てられました。
場所は,仙人峠の南にある箱根峠の少し北側の通称「箱根山」の頂上で,新仙人トンネルが真下を通っています。
電波塔は,小学校の登校時によく目にしたものでした。くっきりと見える雲一つ無い冬の晴れた朝は,五葉おろしが吹き,釜石でも手袋や耳かけが必要でした。
当時よく見た番組は,ちろりん村とクルミの木,ものしり博士(「ケペル先生!今日は」「やあ,今日は。何でも考えかんでも知って,何でもかんでもやってみよう。さて今日はー」で始まる),みんなの歌,ふしぎな少年(時間よ止まれ!)などでした。

電波塔が市内から見ることができるので,電波塔からは市内が一望できます。

箱根峠からの釜石市内

箱根峠からの釜石市内

箱根峠は,釜石市大松から住田町上有住に通じる県道157号(冬期通行止め)が通っている峠で,鞍部に愛染山登山口があります。昭和15年に開通した「釜石-水沢間組合道路」の一部のようです。