農学部で学生向け海洋・水産セミナーを開催

阿部先生2岩手大学では、学生向けの「海洋・水産セミナー」を12月2日に農学部で開催し学生等70名ほどが参加しました。岩手大学には、水産系学部や学科がなく、水産関係のセミナーは初めての試みであったが、多くの学生が集まり、東日本大震災で大きな被害を受けた水産業に対する意識が高いことがわかりました。

岩手大学では震災後、釜石市に三陸水産研究センターを整備し、東京海洋大学や北里大学と連携し、文部科学省のSANRIKU(三陸)水産研究教育拠点形成事業の支援を受けて、水産業の震災復興への取り組みを続けています。

本学では、水産業復興に向けて平成28年度から農学部に水産システム学コース及び大学院に修士コースを設置することを計画しており、今回のセミナーは海洋・水産研究に触れ合うことの少ない他分野の学生に対して関連する最新の知見を提供することで、水産業や水産研究に興味を持ってもらうことを目的として開催しました。

講義では、本学OBも含めた各分野のエキスパートの講師陣が、東日本大震災後の海洋環境や水産業の現状から公海での海洋調査の状況を含めた幅広い内容の講義を行いました。

本学三陸水産研究センターの阿部周一特任教授は、サケの増殖事業の歴史や当センターで行っている遺伝学研究などを説明し、北里大学吉永龍起講師は、大学時代の農学系の羊に関する研究から、4年生時に船に乗りたいと思ったことがキッカケとなり、一転して海洋研究の道に進まれた実体験を話しました。

【プログラム】

①漁業に影響する海洋環境(水質・プランクトン)について

岩手県水産技術センター環境保全部 加賀克昌 主査専門研究員

②アワビ・ウニの漁業について

(独行)水産総合研究センター 東北区水産研究所

沿岸漁業資源研究センター 堀井豊充 センター長

③サケ類の増養殖の取り組みについて

岩手大学三陸水産研究センター 阿部周一 特任教授

④うな丼の未来・ウナギの謎に満ちた生態とその危機

北里大学 海洋生命科学部 吉永龍起 講師