水産加工研究講演会in久慈が開催されました

2月1日 (土)午後,久慈市長内町のロイヤルパークカワサキで「水産加工研究講演会in久慈」が開催され,久慈地域の水産加工業者など約80名が参加しました。

水産物加工における省力化,省エネ対策等について講演する岩手大学船崎教授

水産物加工における省力化,省エネ対策等について講演する岩手大学船崎教授

岩手大学,東京海洋大学及び北里大学の3大学は,三陸水産業の復興と地域の持続的発展に寄与するため,互いに連携し,「SANRIKU(三陸)水産研究教育拠点形成事業」を行っています。この3大学連携プロジェクトは,一連の研究開発を通した海洋・水産分野に係る実用化研究拠点の形成を図るものです。
この講演会は,水産加工の分野において,大学等の研究機関が有する最新の研究事例を紹介し,久慈地域の加工業者とのマッチングを図り,競争力ある新商品開発・販路開拓・生産効率向上につなげることで,震災復旧後の水産関連産業の発展を目的に開催されたものです。

講演会では,岩手大学の船崎健一教授からコンブの乾燥やワカメ芯抜きの省力化,ワカメボイルの省エネ対策などの研究開発の紹介,東京海洋大学鈴木教授から水産物の冷凍冷蔵・解凍に関する技術の紹介がありました。
また,ハーブ抽出物による新しい乾燥法,岩手県産フノリの用途拡大やワカメの味の分析などの3大学連携プロジェクトの成果や岩手県水産技術センターなどによる通電加熱技術に関する報告がありました。

短い時間でしたが,全体討論では会場から活発な発言があり,作業効率化につながる最新の研究成果や新しい加工技術についての知識が深まったものと思います。

水産加工研究講演会in久慈を開催します

(クリックするとPDFファイルが開きます)

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 水産物の加工での大学等の研究機関が有する最新の研究事例を紹介し,久慈地域の加工業者とのマッチングを図り,競争力ある新商品開発・販路開拓・生産効率向上につなげることで,震災復旧後の水産関連産業の発展を目的に開催致します。
 多数御参加ください。

日時:平成26年2月1日 (土)13時30分~17時30分
場所:久慈市長内町27-27-1 ロイヤルパークカワサキ
申込方法:
 参加をご希望の方は、1月29日(水)までに、裏面の参加申込書に必要事項を記入のうえ、メールまたはFAXにてお送りください。
※電話申込みも可能です。その際、所定事項をお知らせ下さい。

講演会(13:30~17:30) ※参加費:無料

13:35~  講演1「海藻養殖における省力化機器の開発と効率的な乾燥方法について」
     岩手大学 工学部 機械システム工学科 船崎 健一 教授
14:05~  講演2「水産物の冷凍冷蔵・解凍技術について」
     東京海洋大学 海洋科学部 食品生産科学部門 鈴木 徹 教授
14:35~  3大学連携プロジェクトで行っている研究事例報告
    ・岩手大学 農学部 三浦 靖 教授
    ・東京海洋大学 海洋科学部 食品生産科学部門 田代 有里 助教
    ・北里大学 感染制御研究機構 釜石研究所 笠井 宏朗 部長
15:35~  水産現場へのトヨタ・カイゼン方式の導入について
     岩手県県北広域振興局 経営企画部 産業振興課 課長 熊谷 郁夫 氏
16:00~   北三陸地域重要水産物への通電加熱技術の可能性
   (1)身溶けしない冷凍ウニ及び醤油イクラの品質向上
     岩手県水産技術センター 主査専門研究員 上田 智宏 氏
   (2)通電加熱装置の開発
     (株)フロンティアエンジニアリング 常務取締役 星野 貴 氏
   (3)通電加熱技術の実用化の現状などについて
     東京海洋大学 福田 裕 特任教授
16:45~  全体討論

懇親会(17:45~19:45)

会場:ロイヤルパークカワサキ2階  会費:4,000円
 講演者をはじめ、当日参加する他の研究者と、お気軽に意見交換をして頂くために開催致します。
 ぜひご参加ください。

問合せ先

岩手大学 三陸復興推進機構 久慈エクステンションセンター 担当:川尻
〒028-8030 岩手県久慈市川崎町1番1号(久慈市役所3階 産業開発課内)
TEL: 090-2953-2519
E-mail:kujiext@iwate-u.ac.jp
FAX: 0194-52-3653(久慈市役所総務部)

はまゆりパン(仮称)

11月26日火曜日に釜石市内のホテルで,「釜石はまゆりプロジェクト現地進捗報告会」が開催され,「はまゆりパン(仮称です)」の試食会がありました。
この報告会は,釜石市と北里大学感染制御研究機構釜石研究所が進めている釜石市の花「ハマユリ」(当ブログ参照)由来の酵母を活用し,地元企業の新商品開発等を促進するための取組「釜石はまゆりプロジェクト」を広く知っていただくために開催したものです。

はまゆりプロジェクトについて説明する笠井部長

はまゆりプロジェクトについて説明する笠井部長

始めに,北里大学釜石研究所の笠井部長から,はまゆりプロジェクトの紹介と,「はまゆり酵母」が釜石の復興の力になってほしいとの希望が述べられました。
続いて,山田湾ベーカリーの堂田店長から,石割桜酵母によるパン作りの事例紹介と,北里大学釜石研究所猪又研究員から,はまゆり酵母の発見までの経過や諸性質の説明,この酵母を活用した新しい地域特産品の開発の可能性について提言がありました。

 

出来上がったパンについて説明する高屋講師

出来上がったパンについて説明する高屋講師

はまゆり酵母を使った試作品は,盛岡にある専門学校盛岡カレッジオブビジネスで講師をしているベーカリー銀河夢の高屋代表が持ち寄りました。
3種類の酵母を使い発酵温度を変えたり,米粉を加えたりして,さまざまな条件で作成したものが提供されました。
もちもち感があったり,香ばしい香りがしたり,味が異なったりしてなかなか優劣は付けられませんでした。
高橋代表は,「はまゆりパン」だけでは購買に結びつかないので,6次産業化するなどPRに結びつく方策が必要だと語っていました。

試作品の「サケパン」がおいしく感じられました。岩手大学との連携も期待できそうです。

サケパン

サケパン

試食したパン片(左からKS6,1a,KN3Y)

試食したパン片(左からKS6,1a,KN3Y)

山田湾ベーカリー店内

山田湾ベーカリー店内

石割桜ビール(福香)

石割桜ビール(福香)

 

高校生,市民のための 第1回海洋・水産研究チャレンジセミナー

震災復興を目的として,海洋や水産研究に携わる大学の研究者が,皆様に海洋・水産の可能性を追求した研究内容をお伝えします。
詳細は,添付のチラシ(pdfファイル)を御覧ください。

開催要項

PDF

  • 開催日:8月12日(月) 13:00~16:40
  • 会場:岩手大学釜石サテライト1階セミナー室(会場の地図は裏面)
  • 参加費用:無料
  • 主催:SANRIKU水産研究プロジェクト(岩手大学,東京海洋大学,北里大学),いわて海洋研究コンソーシアム(東京大学,水産総合研究センター他)
  • 後援:岩手県教育委員会,岩手県沿岸市町村復興期成同盟会,岩手県沿岸広域振興局,(公財)釜石・大槌地域産業育成センター

内容

<講演(概ね各30分(質問時間含む)>

  • 発生工学を利用したサケとアワビの新品種開発 ~釜石発のブランド種苗を作ろう!~(東京海洋大学 竹内裕准教授)
  • サケ類の遺伝子研究について(岩手大学 阿部周一特任教授)
  • 放流サケ稚魚の初期生残率を向上させるための取り組み (北里大学 森山俊介教授)
  • クロマグロ:熱い血潮を持つ魚(東京大学 北川貴士准教授)
  • 海の光と濁りについて(東京海洋大学 荒川久幸教授)
  • 美味しさを保持する冷凍と解凍(東京海洋大学 鈴木徹教授)

<体験ラボ(2階 機器分析室)>

  • MRIでウニの中身を調べよう!(東京海洋大学 松川真吾准教授・福岡美香准教授)

申込方法

 チラシ下欄に必要事項を記入の上,8月7日(水)までにFAX又はメールによりお申込みください。

申込先

 岩手大学釜石サテライト 田村(Fax:0193-36-1610 E-mail:tamurana@iwate-u.ac.jp)

水産加工業 車座研究会in 宮古

東京海洋大学鈴木教授による講演

1月21日(月)に宮古市役所6階大ホールで「水産加工業 車座研究会in 宮古」が開催されました。
岩手大学,東京海洋大学及び北里大学の3大学では,三陸水産業と地域の持続的発展に寄与することを目的に連携協定を締結し,「三陸水産研究教育拠点形成事業」を実施しています。
この研究会は,「水産新素材・加工技術・加工設備開発班」による取組の一つで,3大学が持っている研究シーズを紹介し,水産加工業者のニーズとのマッチングを図り,新たな商品の開発や,販路拡大につなげることを目的としたものです。

岩手大学三浦教授による講演

これまで釜石市で2回開催していましたが,今回は,宮古市及び近郊市町村の水産加工業者等を対象に計画したもので,洋野町など県北沿岸各地から広く多数の参加がありました。
復興・再生にかける皆さんの熱意が感じれらました。
研究会は,東京海洋大学海洋科学技術研究科 研究院海洋科学系の鈴木徹教授及び岩手大学農学部の三浦靖教授から,それぞれ「水産物の冷凍冷蔵技術について」及び「今日の一円、明日の百円、明後日の一万円構想」の講演のあと,東京海洋大学産学・地域連携推進機構リサーチ・アドミニストレータの前田敦子弁理士から「東京海洋大学の持つ水産加工の知的財産とその活用法」について報告があり,引き続き各大学から「震災復興のための研究開発シーズの紹介」の報告がありました。
参加者らは,新しい冷凍技術や乾燥技術について興味を持ち,熱心に聴講していました。
質疑応答では,塩蔵したものの塩抜きの仕方,原料の魚の洗浄やうろこの取り方など,実際に作業をする上で疑問に思っていたことなどたくさんの質問があり,予定の時間をオーバーする活発な研究会となりました。

講演や報告を熱心に聴講する参加者

質問に答える東京海洋大学鈴木教授

アンケートの回答にもありましたが,被災地では時間がなく,待ったなしの状況であり,現場に合った具体的に利用できる,産業に結びつくような研究成果が望まれていることが実感されました。