子ども支援者研修してきました

今年度は、釜石市の被災した子どもの養育相談支援事業で相談員5回、子どもについての学習会4回、支援者研修3回担当しておりまして、先日、支援者研修の最終回でした。
テーマは、喪失を経験した子どもと関わり方、ということで喪失によって変わる世界、支援にかかわる知識や態度についてお話させていただきました。

喪失で一番思い知らされることは「時間は戻せない」ということだと思っています。
そうすると、喪失に対して何を目指して支援すべきか?ということを考えたときに「もとの生活に戻る」はピタッときません。
研修の中では、「自分の人生を自分で歩んでいる感じ」がすることを喪失への支援の目標として提案しています。

子どもと大人の違いを交えながら、回復過程(喪の作業といいます)の理論、それをもとにした支援の態度についてなど、なかなか内容の濃いものだったのですが、「分かりやすい」という評価をいただきました。
これを励みにまたがんばりたいと思います。

どうもありがとうございました。

久々に「子どもとトラウマ」の研修しました(心のケア班)

2017年11月8日(水)…某支援団体にて、「子どもとトラウマ」「アンガーマネジメント」の研修を行いました。
これは、心のケア班『支援者対象メンタルヘルスプログラム』の一環で行う出前研修です。
参加は5名、アットホームな雰囲気で率直な意見や質問が出る白熱?した研修でした!
「大きい研修だと、自由に発言ができない」たしかにそうだな…と思いました。

やっぱり何かを学ぶときは、疑問に思ったことを、その場で質問して、納得しながら進む…「対話形式」…ライブ感がよいなぁと常々思うのですが、それが実感できました。

「子どもとトラウマ」は、大変な出来事に遭遇したときの心身の変化と、その対応について学びます。
自然災害、事件・事故、DVは心に傷(トラウマ)を負うことがあります。
そのときの反応は(1)再体験 (2)回避 (3)マイナスの考え (4)過覚醒 と言われますが、それぞれのからくりと対応をお伝えしています。
今回の研修では、子どもということで、子どもと接するときに覚えておくと役立つ事も加えてました。

「アンガーマネジメント」は、『自分の怒りと付き合うヒント』として市民講座でも出しております。
怒り(感情)の起こるしくみ
怒りの意味
怒りと付き合うヒント
について、アドラー心理学とコンストラクティブ・リビング(建設的な生き方)から考えます。

天気がよくて、研修しないで午後は昼寝がしたいねぇとか言いながらも、いい質問がたくさん出てきて、こちらも勉強になる目の覚めるような研修でした!おつかれさまでした。

内陸で震災対応研修の講師をしてきました(心のケア班)

2017年11月2日(木)…県養護教諭部会主催の震災対応研修会で「喪失の講話」と「傾聴のワークショップ」をしてきました。
会場は「やはぱーく(矢巾町交流活動センター)」で、県内各地から30名ほどの養護の先生がお集まりでした。
遠い所からの先生もいらして、関心の高さを感じました。

依頼の内容は、内陸に避難した子どもへの対応と子どもたちの様子について、ということでした。
そこで第一部は、「ふるさとを失った子どもに寄り添うために」と題して、大事な人やふるさとを失ったり離れることを余儀なくされた子どもが感じる世界、寄り添うためのヒントについて話しました。

第二部は、ワークショップということで傾聴の研修を(いつもの60%くらいまで)行いました。
傾聴の研修は話していただく時間が多く、笑いあり、勉強になることありで、元気になっていただけたと思います。

・もう少し「喪失」「悲嘆」「二重過程モデル」について知りたい。
・話をそのまま聴くということが大事だと分かった。
等々ご感想をいただきました。
ありがとうございます。

市民講座では「悲しみを抱える・悲しみを支える」と題して、喪失の話をもう少し詳しく話します。
また、「相手を支える話の聴き方〜言説の圧〜」では、話をそのまま聴くことの意味を話します。
機会があればご参加ください。

最後になりますが、今回の演題を毛筆で書いていただき、とても感動しました。
ありがとうございました。

講演録(子どもシンポジウム)あります

2017年2月11日に、心のケア班が釜石市で開催した『子どもの心とあゆみを支えるシンポジウム』の講演録ができました。シンポジウムの内容を、演者のみなさんに修正加筆していただておりますので、読みやすくなっております。内容も、喪失、トラウマ、地域の支援、福島をはじめとした被災3県の子ども支援の様子など、多岐にわたる内容で読みごたえのあるものとなっています。すでに全国都道府県の社会福祉協議会様には送付させていただいております。若干ですが残部がございます。ご希望の方は、ご足労ですが岩手大学釜石サテライトまでお越しください。郵送をご希望の方はご連絡ください。よろしくお願い致します。

心のケア班市民講座・こころのじかん5

岩手大学心のケア班では、被災者及び支援者の方々の心のサポートを目的に、ストレスと対処等の知識や、傾聴などの支援方法等を提供する市民講座(全7講 座)を本年度も開催いたします。
(後援:岩手県教育委員会・大船渡市・釜石市・宮古市・陸前高田市,以上五十音順
本年度は、定例版と拡大版の統合版で会場は宮古市から陸前高田市まで。以下に概要をご紹介しますので、ご検討のうえご参加ください(ちらしをダウンロードしてご覧ください。)ご参加お待ちしております。

👉時間はすべて13:30〜15:00です。

👉会場(五十音順)
【大船渡】リアスホール(会議室1・2):大船渡市盛町字下舘下18−1
【釜石】岩手大学釜石サテライト(セミナー室):釜石市平田3−75−1
【宮古】シーアリーナ(3階大会議室):宮古市小山田二丁目1番1号
【陸前高田】コミュニティホール(2/4集会室・3/14中会議室):陸前高田市高田町字栃ヶ沢210番地3

👉講座
2017/1/28(土)【釜石】
相手を支える話の聴き方〜傾聴の基礎〜

2017/2/4(土)【陸前高田】
リラクセーションでよい眠り〜呼吸法と漸進的筋弛緩法〜

2017/2/18(土)【宮古】
怒りとつきあうヒント〜アドラー心理学をヒントにして〜

2017/3/14(火)【陸前高田】
悲しみを抱える-悲しみを支える〜喪失と向き合う〜
ここまでの講師:佐々木誠(三陸復興・地域創生推進機構特任准教授)

2017/3/15(水)【大船渡】
言葉は魔法!-コミュニケーションについての再考-
講師:奥野雅子(岩手大学人文社会科学部准教授)

2017/3/16(木)【釜石】
リラクセーショスでストレスに克つ!
講師:山口 浩(岩手大学人文社会科学部教授)

2017/3/17(金)【宮古】
子どもの可能性を大きくする心理学的方法
講師:織田信男(岩手大学人文社会科学部教授)

👉申し込み
中学生以上であればどなたでも参加できます。
住居地以外の方ももちろん参加できます。
・件名「心のケア班市民講座参加」として以下についてお知らせください。
(1)参加希望講座(複数可)
(2)氏名(連名の場合は全員の氏名)
(3)連絡先(緊急の連絡を受け取れる携帯番号・メールアドレス等)
・以下のいずれかの方法でお申し込みください。
メール:heart@iwate-u.ac.jp
FAX:0193-36-1610
電 話:0193-55-5691

👉問合せ
岩手大学釜石サテライト(0193-55-5691)
担当:佐々木誠