7月11日木曜日,釜石サテライト及び岩手県水産技術センターで,「通電加熱セミナー」が開催されました。
このセミナーは,通電加熱技術の最新の事例を紹介し,公開実験を行うことによりこの技術を水産加工業にも普及させることを目的に,東京海洋大学の鈴木徹教授と福田裕特任教授(釜石サテライト常駐)が企画したもので,県内漁業協同組合関係者や県内水産流通加工業者並びに沿岸市町村や教育機関,県関係機関,いわて海洋研究コンソーシアム等県内外研究機関の担当者,総勢80名ほどが参加しました。
通電加熱技術とは,直接食品に電気を通すことで食品そのものが抵抗体となり,自ら熱発することを原理とするもので,省エネ,省コスト型の加熱技術として期待されています。
セミナーでは,福田特任教授ほか4名の講師から,通電加熱装置の開発やジュール加熱の基本原理,具体的な実用化技術などの紹介がありました。
セミナー終了後,鈴木教授から,水産加工実験室に設置されているマイナス70度Cまで急速冷凍できる「プログラムフリーザー」について説明があり,多くの方から「使ってみたい」との声が上がりました。
会場を隣接の岩手県水産技術センターに移動し,さまざまな通電加熱装置による公開実験が行われました。
セミナーの内容
- 水産食品用の通電加熱装置の開発(株フロンティアエンジニアリング 星野 貴)
- 通電加熱による身溶けしない冷凍ウニおよび消費期限の長い醤油イクラの開発(岩手県水産技術センター 上田智広)
- 通電加熱による色鮮やか海藻食品およびソフトなイカ珍味食品の開発(北海道工業技術センター 吉岡武也)
- 通電加熱による美味しい干物製品の開発(水産大学校 福島英登)
- 通電加熱による美味しい乾燥ナマコ、シラス干し、カツオ節の開発(東京海洋大学 福田裕)