第4回かまいし仙人峠マラソン

 10月27日(日)に,第4回釜石仙人峠マラソンがあり,開会式をのぞいてみました。
 今年のゲストランナーは,東国原さんです。
 釜石市長から挨拶があり,ここ大橋が日本近代製鐵の発祥の地であること,仙人峠が「いとさかしき峠」(さかしい=険しい)であることの紹介があり,走者の健闘を祈りました。
 ゲストランナーの東国原さんは,前日下見したら,予想以上に高低差が激しい走路にびっくりして「箱根マラソンは,テレビで見るものであって,参加するものではありませんが,参加した以上は何とか完走を目指します。」と意気込みを語っていました。

 スタートは,台風一過の秋晴れの中で行われました。

開会式(釜石市長挨拶)

開会式(釜石市長挨拶)

紅葉の下で挨拶する東国原さん

紅葉の下で挨拶する東国原さん

開会式会場(キッチンカーもお出まし)

開会式会場(キッチンカーもお出まし)

峠コースの第二折り返し点(仙人トンネル入口)

峠コースの第二折り返し点(仙人トンネル入口)

釜石八幡宮のカエデ

釜石にも八幡宮があります。
釜石サテライトの裏山の県道232号線を大渡町から入って最初のカーブを曲がり,すぐ右の山側にあります。

大きな地図で見る

釜石八幡宮

カエデの木と釜石八幡宮

その道路の反対側に大きなカエデの木があり,きれいな紅葉を見せています。
この場所は,やや東向きで西風をあまり受けることがなく,日当たりが良いので,市内でも一番最後に紅葉が見られる場所です。今年は,冷え込みが少ないので,見ごろが続いています。

カエデと釜石小学校

カエデと釜石小学校

横から全景

横から全景

大きい木なので,全部の葉が一様に色づくことがなく,緑色から黄緑色,黄色,橙色,赤色,えんじ色と少しずつ変化していきますので,撮影するタイミングでさまざまな色使い(グラデュエーション)を楽しむことができます。

カエデの紅葉

朝日を透かして

八幡舘

八幡舘

八幡舘のあった山(通称「エンクラエン」

八幡宮は,もともとはここにはありませんでした。鈴子町に釜石製鐵所を作ることになったため,前あったところから,ここ大渡町に移されたものです。当時鈴子町一帯は,「鈴子氏」の土地で,大渡町に移るに当たり,一帯に「鈴子」という名を残したとのことです。

八幡宮のあった山は,「八幡舘」と呼ばれ,中世期には城館があったところです。製鐵所の用地となった八幡舘は,その後,北側斜面にインクラインという鉄道施設が敷かれ,鉱滓(こうさい=のろかす)の捨て場所になり,現在もその跡が残っています。郷土資料館の資料には,頂上に土塁があったという元製鐵所従業員の話や見張台と考えられる箇所が見いだされたことが示されています。
この山は,市内のどの場所からもよく見えるので,ここからはきっと市内を一望できるでしょうから,城館があっても不思議ではありません。

釜石にはほかに,「柏舘(かしわだて)」「狐崎舘(きつねさきだて)」があり,釜石三舘と言われています。

柏舘

柏舘のあった山(野田団地入り口にある。以前から植物園になっており,桜やツツジの花が咲く。日当たりが良いので,パオナップルの木もあった。)

柏舘説明版

柏舘の説明版

狐崎館のあった山

狐崎館のあった山(港町にある。平地部分は,当時は波打ち際だったようだ。)

狐崎舘説明板

狐崎舘の説明板

 

大畑の滝(不動の滝)

秋の不動滝

秋の不動滝

 釜石の大畑に「不動の滝」があります。
 遠野方面から国道283号線を東に進み,老人福祉センター「滝の家」と甲子子育て支援センターの入口看板から右折して,不動橋を渡ってすぐの所にあり,滝に向かう遊歩道とセンター方面の上り坂とに道が分かれます。国道からの入口もわかりにくいので,慣れないうちはよく通り過ぎてしまいました。

 20年ほど前に台風による大雨で滝が崩落したと思っていましたが,大きな崩壊ではなかったみたいで,久しぶりに来てみると(かなり迷いましたが),以前と同じように残っていました。「名勝不動の滝」の石碑は,昭和62年3月建立となっていますので,たぶんこの台風のあとに護岸など整備されたのではないでしょうか。

夏の不動滝

夏の不動滝

 小学校も高学年になると活動範囲が広くなり,夏場に,近所の子ら(釜石製鐵所の社宅に住んでいた)と遊びに来たものでした。当時は護岸もされていなかったので,滝つぼの2段目が今よりも広くなっており,一緒に行った子の一人が急に服を脱ぎだし,人目もはばかることなく,すっぽんぽんで泳ぎ出しました。無邪気なころでした。

 近所の子らは,親がほかの製鐵所に転勤したため,みんな名古屋や九州などに転校して行きました。残された者も,学年が進むにつれて,外の世界を意識するようになりました。

 

 滝の上は,大分前から「福祉の森」という公園になっており,春は桜,秋は紅葉と,家族連れで遊びに来る場所でした。

福祉の森(入口)

福祉の森(入口)

福祉の森(桜の木)

福祉の森の桜の木

福祉の森(紅葉)

福祉の森の紅葉

福祉の森(遊具のある広場)

遊具のある広場

 森の入口に戻り,木々をよく見ると,赤や青のテープが巻かれ,杭も打ち込まれていました。

福祉の森(テープの巻かれた木々)

テープの巻かれた木々


 近くには,こんな表示もありました。

釜石花巻道路標示(大畑)

釜石花巻道路の標示

 ここ一帯には,釜石花巻道路の橋脚が立つようです。幼なじみがいなくなり,ふるさとの景色が変わってゆくことは,とても残念なことです。
 果たして,滝は大丈夫でしょうか。

近くで見つけた大きなクモの巣

近くで見つけた大きなクモの巣

今日の仙人峠part3


岩手県は,内陸部でも紅葉が進んできました。
今日の仙人峠は,どうなっているのでしょうか。 週初めに気温が下がりましたので,だいぶ見ごろになっているのではないでしょうか。

それでは,また,遠野側の仙人トンネル入り口周辺から,御案内します。
(part2は,こちら→10/28今日の仙人峠part2
(part1は,こちら→10/25今日の仙人峠
片岩片岩です。モミジが色づいてます。
これは石灰岩でできた岩壁で,夏場は周辺の葉が生い茂り,全体を見ることができません。葉の落ちる今の時期から全体が見られるようになります。
位置的に,山裏の「滝観洞(ろうかんどう)」と岩がつながっているかも知れません。
片岩の涙のあと
片岩の涙
岩肌に縦の模様が入っていました。長い年月で地下水が岩を浸食し,小さな鍾乳洞になり,昨夜の雨が地中にしみ込んで洞穴から流れ出て岩肌を濡らしたのではないかと思います(片岩だけに,片思いしている人達の涙か)。

カラマツ林の紅葉カラマツ林の紅葉
カラマツは,マツとはいえ,紅葉し,葉を落とします。
街道脇に植えられているカラマツの紅葉を遠くから見ると,ローソクの炎のように見えます。

仙人トンネル入り口

 

 

仙人トンネル入り口
part1より葉が少なくなりました。右の建物は休憩所(トイレ)です。

仙人峠登り口
仙人峠入り口
休憩所の脇の杭は,「仙人峠登り口」の標識で,中央の鞍部を越えて,大橋の出口に至ります。

 

長いトンネルを抜けるとそこは…
仙人トンネルの釜石側入口です。道なりに,一気に下っていきます。

トンネル出口

トンネル出口

トンネル釜石側

トンネル釜石側付近

蟹が岳ふもと

蟹が岳ふもと

仙人大橋

仙人大橋を見る

仙人大橋から渓谷を見る

仙人大橋から渓谷を見る

仙人大橋をくぐる

仙人大橋をくぐる

スピードが出すぎたら待避所へ

ブレーキが故障したら緊急待避所へ

峠道終わり

峠道が終わり,大橋の町に入ります

大橋の下の橋

大橋町の「下の橋」(上の橋,中の橋もあります)

大橋の「仙人峠登り口」

陸中大橋駅前の鉄鉱石の展示と「仙人峠登り口(橋の下の道)」とここにも柿の木

仙人道路の洞泉橋

仙人道路の洞泉(どうせん)橋をくぐる

大畑付近

大畑(おおはた)付近の山も紅葉してきました

今日の仙人峠でした。いかがでしたか。葉が少なくなると,山肌や山の形が見えてきます。
次は,蟹が岳が雪景色になったら掲載します。

 

今日の仙人峠part2

20121028ポスター
第3回かまいし仙人峠マラソン大会
今日(10月28日(日))は,第3回かまいし仙人峠マラソン大会の日です。
猫ひろしさんに会えるでしょうか?
そして,紅葉はどうなっているでしょうか?

会場へはJR釜石線で
会場への移動は,教育センターからの路線バスも考えましたが,交通規制で途中までしか行かないので,会場近くまで行けるJR釜石線を利用することにしました。釜石線の列車は久しぶり(35年ぶり?)の乗車です。釜石→小佐野→松倉→洞泉→陸中大橋の21分の旅です。ガタゴトと鳴るレトロな音に以前のように眠気を誘われ,停車音に気づいて慌てて駆け降りると,一つ手前の洞泉駅でした。

JR釜石線
JR釜石駅
陸中大橋駅
陸中大橋駅

大橋の町
大橋の町は,以前は釜石鉱山の社宅などがあり,6000人もの住民が住んでいた賑やかな町で,同級生の何人かもここに住んでいました。しかし,今は社宅も取り壊され,ほとんどが空き地になっています。

釜石鉱山概略図
釜石鉱山概略図
駐車場となった社宅跡地
駐車場となった社宅跡地
スタート前のウォーミングアップ
スタート前のウォーミングアップ
紅葉してきました
紅葉してきました

マラソン大会と今日の仙人峠
大会の種目は,峠コース(17.2km)と10kmコースがあり,まず10時15分に峠コースがスタートし,10分後の10時20分に10kmコースがスタートしました。
応援を兼ね,紅葉を見ながら折り返し点の仙人トンネル入り口に向かいました。徒歩とはいえ急坂のため,仙人大橋の下で体力が尽き,折り返しました(往復4km,標高差100mを歩きました)。
選手は,さらに150mほど上の仙人トンネル入り口で折り返しです。

スタート
峠コーススタート
(猫ひろしさんはどこでしょう)
たくさんの人が応援しています
たくさんの人が応援しています
紅葉を見ながら上へ向かいます
紅葉を見ながら上へ向かいます
標高差300mを一気に下ります
帰路は標高差300mを一気に下ります
仙人大橋
ここで体力尽きる
物産市
物産展
(山菜そばをいただきました。)

トークショーついにゲストランナー登場
競技終了後,雨脚が強くなってきました。雨の中,12時40分ごろからゲストランナーのトークショーがあり,ついに猫ひろしさんを見ることができました。
ぶっつけ本番で走ったので,予想以上にきつかったそうです。また,『猫八がんばれ』という声援があったけど「猫ひろし」だよと,笑って言っていました。

ランナーの話
帰りは,すぐ来る列車がなかったので,路線バスに乗ることにしました。30分ほど待つ間バス停近くの廃屋で雨宿りをしていると,地元の人のような背の低い年配者が雨宿りに来ました。町で買い物ですかと声をかけましたが,耳が遠いせいか質問と異なる答えが返ってきたようで,よく聞き取れなかった(こっちも少し耳が遠くなってきたけれど)。耳を澄ませてよく聞いてみると,なんと年齢76歳で,10kmコースに出場し,84歳(出場者最高齢)の人と一緒に走った,来週もどこかの大会に出ると,うれしそうに話していました。びっくり!!
また一人,列車の便数が少ない,バスもなかなか来ないと文句を言っている人にも話を聞いたところ,神奈川県から来て,昨年も出場し,今年はいい成績だった,このコースはおもしろいのでまた来年も来たいと,こちらも楽しそうに話していました。バスを降りるときに「来年もがんばってください」と声をかけ分かれました。

釜石鉱山展示室(旧釜石鉱山事務所)
マラソン大会に合わせて,釜石鉱山展示室の2階を公開していました。普段は閉館しているので,のぞいてみました。
「鉱山の学校」には宮沢賢治や石川啄木などの鉱山に関係する文学作品等が展示されていました。奥の「鉱山の鉱物室」に鉄鉱石などの資料や地質図が展示されており,興味が尽きませんでした。
釜石鉱山展示室については,釜石市郷土資料館のホームページで詳しく紹介しています。
釜石市郷土資料館で販売している「大橋高炉跡・釜石鉱山(釜石鉱山事務所解説パンフレット,300円)」も参考にするとおもしろい。

釜石鉱山展示室(旧釜石鉱山事務所)
釜石鉱山展示室(旧釜石鉱山事務所)
鉱山の学校(宮沢賢治や石川啄木の資料)
鉱山の学校
鉱山の鉱物室
鉱山の鉱物室
鉱山の電話交換室
鉱山の電話交換室
鉄鉱石選鉱場あと
鉄鉱石選鉱場あと(コンクリートの壁)
中ノ沢堆積場
中ノ沢堆積場

仙人峠と天狗森
ちょうど40年前,高校3年生の時に自転車で大橋の町に遊びに来たとき,同級生に仙人大橋まで案内してもらいました。橋の真ん中に来たときに山の方を見ながらその同級生は,この山の裏に「天狗森」という山があると言っていました。そのときは興味がなかったので,ただ「ふーん」と言っただけでしたが,その後気になり出し,いろいろな地図を見ましたがどれにもありませんでした。
しかし今日,釜石鉱山展示室に展示されていた古い地質図を見ると,確かに「天狗森」という文字がありました。この体力ではもう無理なほど深い山奥にあることがわかりましたが,40年来の謎が解けた日でした。
それにしても,仙人がいたり,天狗が住んでいたり,おもしろい町です。