小学校低学年のころ,我が家に「禁じられた遊び」のオルゴールがありました。
子守歌代わりにしようとゼンマイを巻き枕元において聞いていましたが,寝入る前に演奏が終わり,何度もゼンマイを巻いた思い出があります。
このメロディーは,もともとは,映画「禁じられた遊び」の主題曲で,スペイン民謡の「愛のロマンス」を巨匠ナルシソ・イエペスがギター用に編曲し,演奏したものです(のちにテレビのロードショーで見たのですが,戦争中の悲しい話でした)。
上中島町の社宅の近所の中学生がギターでこの曲を弾いていて,ギターにあこがれるようになりました。
釜石でも山肌に藤の花が見えています。
自生の藤は,ほかの木にからまって生長して行きます。
藤の花の咲いている木の根元は,下の写真のようになっていて,芯になる木の幹に複数のつるがからまり,上の枝までのびていきます。
釜石の町の裏山は,急斜面になっていて危険がいっぱいあったのでしょうが,当時の子供たちには格好の遊び場でした。
藤の根元は,ブランコにもなり,ゆらゆらと気持ちよく揺れます。
小学校の高学年になると,さらに危険な「ターザンごっこ」という遊びとなっていきました。
つるを腰の高さあたりで切り,斜面の上の方からぶら下がって勢いを付けると,振り子のように斜面の先の方まで飛んで行きます。風を切り,空を仰ぎ,崖下との高低差でスリルを味わいました。
しかし,この遊びは,学校から禁止されてしまいました。
同級生が着地に失敗し,崖から落ちて大けがを負ってしまったからでした。
我が家にあったオルゴールは,その後ゼンマイが切れ,分解魔になった少年の餌食になってしまいました。