甲子柿の生産盛ん

甲子柿 9月25日のブログ「甲子柿セミナーに参加してきました。」で紹介した甲子柿(かっしがき)は,子供のころよく食べたものです。当時は自家製で,母親が近隣から柿の実を分けてもらい,焼酎をふってビニール袋に入れ,1週間ほどで出来上がりです。飽きるほど食べました。

とろとろ

この柿は,「小枝柿」という渋柿の一種で,明治のころに大船渡から入ったようです。大船渡では干し柿にしていますが,釜石では,「甲子柿」にして食べるようになりました(いつ,誰が始めたのかわかりませんが)。

 

柿の木

釜石街道脇の柿の木

甲子柿の木は,釜石街道脇など甲子町のいたるところに植えられています。
高校生のころ,スポーツ大会の練習を終えて帰りの夜道,脇にある柿の木に空腹のあまりつい手が出てしまいました。堅くても少しは柿の味がするだろうと期待したのですが(×_×;),歯形をつけただけですぐに投げ捨て柿の実ました。足元をよく見れば,何個か同じように歯形がついた柿の実が落ちていました。

 

今,釜石街道にはたくさんの柿の実がなっています(去年より少ないようですが)。
先日朝,街道を通ると,下の写真のようにして柿の実を収穫していました。
干し柿をつるしている家に行ってみたら,甲子柿を作っている方の家でしたので,作業している写真なども撮らせてもらいました(岩手大学の三浦先生をご存じでした)。

柿の収穫

干し柿

軒下につるした干し柿

柿磨き

収穫した柿の実を丁寧に磨きます

 

柿室

この柿ムロに入れ,1週間ほど温度を一定にしながらくん蒸すると出来上がり

甲子柿は,甲子町の「産直ミッキーF」や市内のスーパーで買うことができます。また,インターネットショッピングサイトの「三陸釜石元気市場(http://hamayuri.net/)」でも購入できます。
渋みの取れた甘いとろとろした柿です。

道の駅ミッキーF

産直ミッキーF

商品棚

甲子柿のポスターと商品棚

 

甲子柿セミナーに参加してきました。

9月23日(日)に釜石市甲子林業センターで行われた『甲子柿セミナー』~甲子柿のブランド化・商品開発について考える~に参加してきました。

まずみなさん、甲子柿ってご存知でしょうか?
甲子柿とは釜石で採れた渋柿を「柿むろ」と呼ばれる「くん煙窯」に入れてじっくり燻して(1週間位)渋みを抜いた柿のことを言います。朱色がかった赤色をしており、非常に軟らかく、一見トマトに見間違えられるほどです。釜石では昔からおやつ(デザート)として食されておりました。

ではその甲子柿と岩手大学、どのような関係があるかと言いますと、岩手大学では以前から地元生産者の方々と共同で甲子柿の研究を行っておりまして、今一度甲子柿への理解を深めようということで今回のセミナー開催にいたったわけです。

説明はこのくらいにして、肝心のセミナーの内容です。

講師の先生は、本学農学部の三浦靖教授と

 

地域連携推進センター客員准教授の五日市知香先生のお二人。

 

三浦先生からはエビデンスとコンプライアンスの重要性という題で、甲子柿の機能性の紹介と加工、保存方法確立のエビデンスの説明がありました。

甲子柿にはβ-カロテン、β-クリプトキサンチン、β-リコピンが豊富に含まれていて、ただおいしいだけじゃなく栄養面でも非常に優れているとのことです。まさに一石二鳥ですね。

 

五日市先生からは商品開発のポイントやデザインの重要性を事例紹介を含めながらの発表でした。市場に流通するうえで商品の味以外にも大切なことがあるよね、ということです。
同じ商品でもパッケージデザインや価格設定などいくらでも改良の余地はあるようです。

お二人の講演を聞いていて感じたことは、食品加工は味だけじゃなくいろいろな角度からのアプローチの仕方があるということです。機能性しかり、デザインしかり。いつもの商品をいつもとは違う視点から見てみるのもまた違った発見があったりしていいかもしれません。

 

今後もセミナー等あれば積極的にお知らせしていきますので、みなさまぜひチェックしてみてください。
以上釜石サテライトからでした。